日本酒地理的表示「GI青森」が指定されました。
GI青森
日本酒の地理的表示(GI認証)の20例目として、「青森」が、令和7年6月20日に指定されました。

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酒類の特性について
青森の清酒は、適度な米の旨味があり、まろやかな口当たりですっきりとした後味が感じられる酒質です。まろやかな口当たりですっきりとした後味が感じられる青森の清酒は、新鮮なヒラメやホタテの刺身のほか、年末年始の食卓に欠かせないナマコ酢など、青森県の特産品である魚介類との相性が良い酒質です。
気候風土
青森県は本州の最北端に位置し、西は日本海、北は津軽海峡、東は太平洋に面しています。県の中央部には八甲田山系や世界自然遺産である白神山地や津軽富士と称される岩木山などの雄大な山々を有しています。
このように県全域にわたり広大で緑豊かな山々が、雪解け水や雨水を蓄えることによって豊富で良質な伏流水を育んでいます。
また、夏は太平洋側で冷たく霧を伴った偏東風(ヤマセ)のために低温多湿の日が多く、このような気候風土を踏まえて、昭和35年(1960年)から冷涼な青森に適する酒造好適米の開発に取り組んできました。
こうして青森のお酒は、気候風土に適した米と豊富で良質な水から醸造され、青森県の冬の厳寒を活かした 低温でゆっくりと発酵させる吟醸造りにより、米の旨味とまろやかな口当たりがあり、すっきりとした後味を感じられる酒質となっています。
人的要因

青森の酒造りは、現存する最も古い記録によると慶長頃(1596~1615年)には行われていたと伝えられており、弘前藩第二代藩主 津軽信枚の時代(1607~1631年)には、江戸への米の積出し港として青森港が開港し、商家や酒造業者が各地から集められ、近江からは「酒造家」の上原屋伊左衛門が招かれ、藩の保護下に醸造を開始し、上方の酒造技術を広く伝授していきました。さらに、第四代藩主の津軽信政時代(1656~1710年)には、30万石近くの米を生産したといわれており、その米は、当時、上方において秋田や庄内産米と同等の高い評価を受けていました。また、この地の水は、津軽信政の客臣の野本道元をして「外ヶ浜、油川町(現在の青森市)の小流は宇治川の水より七匁軽し。若し酒を醸さば銘酒を得」と評され日本第一の折り紙をつけられています。このように良質で豊富な米と水を有し、冷涼な気候に恵まれた弘前藩は、清酒の醸造における好条件が整っていました。
同じ頃、蝦夷地と上方を結ぶ北前船が青森に寄港するようになると、青森の酒は蝦夷地へ輸出されるようになりました。青森の酒造業者には、「近江屋、大阪屋、三国屋、越前屋、奈良屋、兵庫屋」等の関西系の屋号が多く使用されており、また関西型の酒造用具が用いられていたことからも上方の酒造技術が導入されていたと考えられています。
良質で豊富な米と水に加え、北前船による蝦夷地との交易や上方の酒造技術の導入により、青森における酒造りはますます盛んとなり、藩政時代における津軽地方の大資本家は大部分が酒造業者であったと言われるほどでした。
近代では、多くの県オリジナル酒米(古城錦・豊盃・華吹雪・華想い・華さやか・吟烏帽子)が生まれ、特に現在青森県のスタンダード酒米となった「華吹雪」は、収量も安定し、栽培しやすく、お酒は米の旨みが凝縮された味わい深い酒となります。また、県では「華吹雪」「華想い」の実用化にともなって県オリジナル酵母として、メロンやリンゴの香りを生み出す青森県のオリジナル酵母(まほろば華・まほろば吟・まほろば醇・まほろば芳など)が数多く生み出されました。
原料及び製法
原料としては、青森県内で収穫した、米及び米こうじに国内産(3等以上に格付けされた玄米又はこれに相当する玄米を精米したもの)のみを用いていること。
青森県内で採水した水のみを用いていること。
酒税法に規定する「清酒」の原料を用いたものであること。ただし、清酒の原料のうち、アルコールは、米(こうじ米を含む。)の重量の100分の10を超えなる量での使用はできません。
製法としては、青森県内において製造、貯蔵、容器詰めすること。
管理機関
管理機関の名称:地理的表示青森管理協議会
住所:青森県青森市大字油川字柳川1番地3
電話番号:017-764-0040
ウェブサイト:http://www.aomori-sake.or.jp/
地理的表示「青森」を使用するためには、これを使用する清酒の製造場から出荷するまでに、各規定について管理機関が作成する業務実施要領に基づいて確認を受けなければなりません
(Text : 山路 日出夫)
この記事の筆者

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