日本酒地理的表示 GI萩が指定されました。

GI

 

 

GI萩ロゴ

日本酒の地理的表示(GI認証)の7例目として、「萩」が、今年3月30日に指定されました。
萩地域は、山口県の北部に位置していて、北側が日本海に面しており、標高400メートル程度の山に囲まれた、平地の少ない地域です。

酒質の特性

米由来のふくよかで上品な旨味と爽やかな酸味を主体とした、はつらつとした味わいが特徴です。具体的には、芳醇なバナナ、メロン、ライチに加えて青竹、新緑のものを感じる香りで、中でも吟醸酒は、さらにリンゴやパイナップルなどの果物の爽やかな香りを感じます。
旨味が残る余韻は、酸味・苦み・アルコール感の切れの良さがあります。そのはつらつとした味わいから、当地の特産品である白身魚や蒲鉾等の淡白な味の食品が持つ、繊細な味を引き立たせてくれます。

気候風土

この地域の山間部には面積は狭いが水はけが良い粘質土壌による平らな台地が存在しており、稲作が盛んに行われてきました。稲作が盛んな中山間地域では、7月から8月には1日の気温の温度差が大きいので、成熟した米の生産に向いています。
また、この地域に広く分布する、火山からの噴出物や花崗岩等の火山性の岩石によって、ミネラル分が少なく、柔らかで良質な水を用いることができます。
酒造りが行われる冬季に降水量が多く湿度が比較的高くなることが、この地域での酒造りに特徴的な影響を与えています。

平安古_鍵曲がり

萩市観光協会公式サイトより

歴史と人的要因

酒造りの技術は、山口県 長門市(旧大津郡日置町)周辺に存在する大津杜氏によりもたらされました。現在では、大津杜氏が有する高度な醸造技術を科学的見地による裏付けを行いない、萩の酒質の特性維持や向上に努めています。
また1990年頃から、蔵元主導で現地の農家と組み、タンパク質の少ない酒米作りの取組をしています。さらに、蔵元と現地の農家が出資する協同組合による、酒米の精米施設「萩酒米とう精工場」を整備し、良質な原料米の確保を行なっています。

原料及び製法

原料の米及び米こうじには、3等級以上に格付けされた産地の範囲内で収穫した米のみを用い、水は産地の範囲内で採水した水のみを用いたものであること。

その他原料は、酒税法で認められた原料の内、麹を含む米の重量の100分の50を超えないアルコールのみ添加できる。

製法としては、上記の製造方法で清酒として「萩」の産地の範囲で製造し、貯蔵、瓶詰めもこの範囲内で行うこととなっています。

管理機関

萩地区地理的表示管理委員会
ウェブサイトアドレス:http://y-shuzo.com

地理的表示「萩」を使用するためには、これを使用する清酒の製造場から出荷するまでに、各規定について管理機関が作成する業務実施要領に基づいて確認を受けなければなりません。

注記:以前より商標に「萩」を使用していた、「特選 はぎ」「萩の風」「維新のふるさと萩」「ぶらり萩」「萩維新」「ふるさとの酒 萩」「萩の露」「ふるさとの酒はぎ」「植物の名称として表示する「萩」を含む商標その他の表示」は、引き続きこの商標の使用が認められています

(Text :  山路 日出夫)

 

 

 

 

 

 

この記事の筆者

日本ツーリズム運営局(オフィスイチヤマ)

日本ツーリズム運営局(オフィスイチヤマ)

日本ツーリズムは日本酒に対する潜在的な需要を発掘すると共に、日本各地の蔵元さんとユーザーをつなぎ、日本酒で地方を元気に、そして日本を元気にして行くと共に、世界へ日本酒の魅力を発信していくことを目指して行きます。
office-ichiyama.com