ア行

用語 読み 説明
愛山 あいやま 山田錦と雄町を祖父母に持つ酒造好適米で晩生品種。代表的な産地は兵庫県
赤い酒 あかいさけ 麹の一部に紅麹を使用した、赤い色の清酒
赤酒 あかざけ 灰を入れて造る熊本県で飲まれる色の濃い酒。お正月などめでたい時に飲用する
秋あがり・秋晴れ あきあがり・あきばれ 冬場に造った清酒を春,夏を越えて貯蔵熟成し、秋口に出荷する生詰め酒。秋に出荷されるのでこの様に呼ばれる。ひやおろしとも言う
アタック あたっく 酒を口に含んだ時の口当たりのこと。テクスチャー,飲み口とも言う
あつ燗 あつかん 日本酒を温める燗酒の温度の呼び名で50℃付近の温度帯を言う
圧搾機 あっさくき 日本酒を上槽するのに使用する機械で、槽(在来式醪圧搾機)と自動醪圧搾機(ヤブタ式が有名)が有り、現在では自動圧搾機が主流になっている
アフターフレーバ あふたーふれーば 酒を飲み込んだ後、鼻から抜ける香りのこと。含み香とも言う
甘酒 あまざけ 米を米麹で糖化して造る飲み物。他にも酒粕を水で溶き加糖して造る方法もある。前者は発酵させていないのでアルコールを含まないが、後者はアルコール分を含む
天野酒 あまのさけ 大阪府河内長野市にある天王山金剛寺で造られていた僧坊酒で、起源は15世紀以前とされる。特徴は2段仕込み方の採用と当時常識であった木灰による変調処理を行わなかった。天野酒は名酒の誉高く羽柴秀吉もこれを愛飲した。
あらい あらい 日本酒の酒質を表す表現で、口に含んだ時に刺激を感じる場合に使い、欠点を表わす際に用いる
あらばしり あらばしり 上槽の初期に、積み上げられた酒袋の自重だけで流出する清酒。味が軽く雑味の少ない良好な酒になる
アルコール分 あるこーるぶん 容量パーセントで含まれるアルコールの量を示す
アル添酒 あるてんしゅ 醸造用アルコールを添加した酒。添加出来る量は法律で規定されている
あわ 酒母や醪で酵母が発酵する際に発生する二酸化炭素で生じる。発酵の状態により変化する
awa酒 あわさけ 醸造中の自然発酵に依る炭酸ガスを含有する純米酒で、アルコール度数10%以上、ガス圧が0.35Mpa以上等の条件を満たして認定されたもの。(©️(社)awa酒協会)
一合 いちごう 日本酒の計量単位。180㎖
一石 いっこく 日本酒の計量単位。180ℓ
一生 いっしょう 日本酒の計量単位。1800㎖
一般米 いっぱんまい 酒米に対して、主に食用に栽培される米のこと
今津郷 いまづごう 灘五郷の一つで、明和年間(1764年〜1772年)には上灘・下灘とで灘目三郷と称した。兵庫県西宮市南東部に位置する。
岩泡 いわあわ 水泡が過ぎ、醪全体が盛り上がり大きな岩が割れてくるように見える泡の状態
魚崎郷 うおざきごう 灘五郷の一つで上灘目の最も東に位置し、現在の兵庫県神戸市東灘区の沿岸部の魚崎地区
うすにごり うすにごり にごり酒のにごり度合いの少ない物を言うが、定義は無い
上立ち香 うわだちか 酒を口に近づけた時の香りのこと。トップノートとも言う
液化仕込み えきかじこみ 米を蒸米にせず、酵素の働きで白米を液状化して仕込む方法
エキス分 えきすぶん 清酒100㎖中に含まれる不揮発性の成分のグラムを言い、酒税法で決められている。一般的に3〜6の範囲にあり、数字が大きいほうが甘口の傾向となる
越後杜氏 えちごとうじ 日本3大杜氏として知られる新潟県発祥の杜氏集団で、南部杜氏に次いで多い
追水 おいみず 醪の糖度が高く発酵が抑制されている時に、発酵を促進するために加える汲み水のこと
大神神社 おおみわじんじゃ 奈良県桜井市にあり、御祭神は大物主神(おおものぬしのかみ)。古くは神酒を「みわ」と発音した
桶買い・桶売り おけがい・おけうり 醸造した酒を瓶詰めせずに他の酒造メーカーと売買すること。かつて酒造米が配給制で各酒造メーカーでの生産量が限られ、また酒税は瓶詰めして出荷される際に課税される為、かつて中小の酒蔵と大手酒造メーカーで行われた
落ち泡 おちあわ 高泡の後期に現れ、かき回すと舞い込むように消えてゆく泡。発酵は最高に達した状態を言う
男酒 おとこざけ 仕込み水に硬水を使用し醪の発酵を早く進めた酸味のやや強く辛口の酒を言い、灘の酒に代表される。一方仕込み水に軟水を使用し長時間をかけ醪を発酵させた甘口の酒を女酒と言い、伏見の酒に代表される
踊り おどり 三段仕込みで醪を仕込む際に、酵母の増殖を助ける為に初添えと中添えの間に仕込みを一日休むことを言う
オフフレーバ おふふれーば 日本酒の好ましくない異臭のこと
雄町 おまち 山田錦の父親に当たる古い品種で、100年以上途切れずに栽培されている唯一の品種。純系淘汰品種と交配品種の2系列がある。軟質で線状に心白が大きい為、高精白が難しい。岡山県産が最も有名
御神酒 おみき 神様に供える酒
滓・澱 おり 上槽したばかりの清酒を暫く放置しておき、タンクの底に溜まった沈殿物のこと
おりがらみ おりがらみ タンクの底に溜まった滓の部分を少し混ぜて商品化した酒のこと
おり酒・滓酒 おりざけ タンクの底に溜まった滓を絡めて商品化した酒のこと
滓引き おりびき タンクの底に溜まった滓をタンクの底にある栓(下呑み)から取り出す作業のこと
女酒 おんなざけ 仕込み水に軟水を使用し長時間をかけ醪を発酵させた甘口の酒を女酒と言い、伏見の酒に代表される。一方仕込み水に硬水を使用し醪の発酵を早く進めた酸味のやや強く辛口の酒を言い、灘の酒に代表される。

カ行

用語 読み 説明
櫂入れ かいいれ 酒母や醪のタンクを櫂で撹拌すること
櫂・蕪櫂 かい・かぶらがい タンクや桶などに入っている固形物と液体の混合物を撹拌するのに用いる道具のこと。棒の先端に台形の板が着いた物を「蕪櫂」,ボートのオールの様な形状の物を「棒櫂」,握る所から先端にかけて太くなっている棒状の物を「鬼櫂」と言う
皆造 かいぞう その年の造りが終わる事を言う
掛け米 かけまい 醪に仕込む蒸米のこと
瓶囲い びんかこい 瓶に詰めること。斗瓶囲い(上層の際に18ℓの瓶に集める),瓶囲い火入れ(瓶詰め後火入れを行う)
かしら 蔵人の職制の一つ。杜氏の補佐役
粕歩合 かすぶあい 原料白米に対する生成清酒粕の割合のこと。余り麹が溶けない(糖化がすすまない)と割合が多くなり生産効率が悪くなるが、余りにも粕歩合を少なくすると酒質が悪化する
片口 かたくち 酒器の一つで、お椀や湯呑み状の器で一方方向にのみ注ぎ口が付いたもの。銚子の様に酒瓶から酒を移し猪口へ注ぐのに用いる。香りの揮発が良いが保温性は良くない
片白 かたはく 原料米を精白する際に、麹米は精白せず掛け米のみ精白したもの。江戸時代以前は主にこの方法が用いられていた。麹米、掛け米共精白する方法を諸白(もろはく)造りと言う
活性清酒 かっせいせいしゅ 発泡性の清酒を言う。スパークリングタイプとも呼ばれる
活性炭 かっせいたん 上槽後の濾過に用いる材料。清酒の色や雑味成分を除去する
カプロン酸エチル かぷろんさんえちる 吟醸香の成分の一つでリンゴや花の様な香りを生じる。2桁酵母の発酵に由来する
釜屋 かまや 蔵人の職制の一つ。蒸米作業一切を取り仕切る
上灘目郷 かみなだもくごう 現在の灘五郷の中の西郷、御影郷、魚崎郷を言う。明和年間(1764年〜1772年)には上灘目郷と下灘目郷と今津郷で灘目三郷と称した。兵庫県神戸市南東部に位置する
辛口 からくち 日本酒の味わいの表現の一つで、ワインで言うドライに近い味わいのこと。日本酒度の高さや酸度の高さ、アルコール度数また香りの影響などの兼ね合いで人により感じ方が変わる
枯らし からし 精米後の原料米を2〜3週間保管して品温を下げる事を言い、吸水時に割れる事を防ぐ為に行う
カリウム かりうむ 仕込み水に含まれる有用成分の一つ。麹菌や酵母の発育を助ける
かん 日本酒を飲用のために30度以上に温めること。温度帯によって、日向燗・人肌燗・ぬる燗・上燗・あつ燗・飛び切り燗などの呼び方がある
寒造り かんづくり 酒造りに適した冬から春に掛けての最も寒い時期にのみ酒造りを行う手法を言う
生一本 きいっぽん 自社蔵の一つの製造場だけで造った純米酒のこと
木桶仕込み きおけじこみ 木桶を使用して酒を仕込むこと
木香 きが 日本酒の製造や貯蔵に木桶を使用する事により自然に移った杉の木の香りのこと
木香様臭 きがようしゅう 酵母の発酵途上で生成されるアルデヒド臭を言い、醪の発酵途上でアルコールを添加した際などに生じる不良臭。木香とは異なる
きき酒 ききざけ 日本酒の香りや味、色などを評価すること
唎酒師 ききざけし 日本酒のソムリエのこと。日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)が認定する資格
きき猪口 ききちょこ 酒を唎く際に用いる大きな白磁の湯呑みのこと。酒のうす濁りを観察する為に、底に太く青い蛇の目が描いてある
菊酒 きくざけ 9月9日の菊の節句(重陽:ちょうよう)に飲む、菊の花びらを浮かべたお酒のこと。邪気を払い、寿命を伸ばすことを願う
黄麹 きこうじ 日本酒の醸造に使用する麹菌で、胞子の色が黄色や黄緑色になる。日本酒のほか、醤油や味噌の醸造にも使用する
貴醸酒 きじょうしゅ 仕込みの際に水の代わりに清酒を用いて造る酒で、通常は三段仕込みの留添えの際に行う。味わいは濃厚で甘い味わいの独特のものとなる
生酛 きもと 自然の乳酸菌を取込み造る酛(酒母)のこと。古来から行われている山卸し(酛摺り)作業を行う物を通常生酛と言う
生酛系酒母 きもとけいしゅぼ 自然の乳酸菌を取込み造る酒母(酛)のこと。山卸しを行う「生酛」と山卸しを廃止した「山廃酛」、室町時代の菩提泉を起源とする「菩提酛」がある
9号酵母 きゅうごうこうぼ 協会9号(熊本酵母)のこと。吟醸酒用の酵母として多く使われており、熊本県酒造研究所(酒名:香露)が発祥蔵
級別制度 きゅうべつせいど 日本酒に課税する為に昭和18年(1943)〜平成4年(1994)まで続いた蔵出し税において、1級〜4級とそれぞれ課税率が違う分類がなされ、これを級別制度と呼んだ
協会酵母 きょうかいこうぼ (財)日本醸造協会が頒布する純粋培養の酒造用酵母のこと
切返し きりかえし 麹造りの工程の一つで、種麹を振り床揉みのあと保温すると蒸米が固まって硬くなるが、これをほぐし品温と湿度を調整する作業のこと
きれい きれい 日本酒相応の味わいがあるが、味や香りの少ない香味を「きれい」「淡麗」と表現する。雑味が無く良い酒に対する表現でも用いる
吟醸香 ぎんじょうか 吟醸造りの日本酒で感じられる、花や果物を思わせる華やかな香りのこと。酵母由来の醋酸イソアミルやカプロン酸エチル等のエステル類が主体になっている
吟醸酒 ぎんじょうしゅ 吟醸香という華やかな香りと、すっきりとなめらからかな味わいが特徴である特定名称酒。米・米麹・醸造用アルコールを原料とし、原料米の精米歩合が60%以下のもの
吟醸造り ぎんじょうづくり 低温で長期間発酵させ、吟醸香という香りを引き出す醪の発酵手法のこと
ぐい呑 ぐいのみ 酒器の一つで、猪口より大きいものを言う。猪口より香りがより楽しめる
汲水 くみみず 仕込み水のこと
蔵人 くらうど 酒蔵で実際に醪造りに従事する人
蔵付き酵母 くらつきこうぼ 酒蔵に自生している優良酵母のことを言う
グルコアミラーゼ ぐるこあみらーぜ 麹菌が生成する酵素の一つで、デンプン質を糖分に分解する
薫酒 くんしゅ 香りが高いタイプの日本酒。果物や花のような華やかでフルーティーな香りが特徴
原酒 げんしゅ 醪(もろみ)を搾った後、水を加えてアルコール度数を調整していないもの。アルコール度数が高く濃醇
原料処理 げんりょうしょり 白米を水洗い浸漬し、蒸して冷却する迄の工程のこと
原料米 げんりょうまい 日本酒の原料になる米のこと。酒造好適米あるいは酒米を使用する
ごう 日本酒の計量単位。1合は180㎖
高温糖化酛 こうおんとうかもと 速醸酛の一種。酒母(酛)を麹の糖化酵素が働く適温である高温を長時間保つことで有害酵母を除き、その後乳酸を加え温度を急冷したのちに純粋酵母を加える。確実に純粋酵母を育成することができる手法。
こうじ 穀物に麹カビの菌糸を成長させたもののこと。日本酒の醸造では米のデンプンを酵素で糖化する役割を行う為に、蒸し米に麹カビの菌糸を成長させたものを言う
麹菌 こうじきん 麹カビの事。日本酒の醸造では黄麹菌を用い、米のデンプンを酵素で糖化する役割を行う
麹蓋 こうじぶた 製麴の工程で麹菌が繁殖してきた蒸し米を盛る、杉で出来た浅い箱のこと。麹の温度管理に用いるが、管理に手間が掛かる為に高級酒の製麴に使用される事が多い
麹米 こうじまい 麹を造るのに用いる原料米のこと。麹の出来が酒質への影響する事から、掛け米より品質の高い米を使用したり、低い精米歩合で使用されることもある
麹室 こうじむろ 製麴を行う為の部屋であり、麹菌の生育に適した温度、湿度に管理されている
硬水 こうすい 世界保健機関(WHO)の基準でカルシウム,炭酸カルシウムが120ppm以上含まれている水を硬水と言う。
硬水・軟水の基準は酒造業界では世界保健機関(WHO)の基準と異なり酒造用水(国税庁所定分析法)の基準を通常用い、軟水,中軟水,軽硬水,中硬水,硬水,高硬水の区分がある。日本では軟水が多く、最も硬度が高い「灘の宮水」でも中硬水である
合成清酒 ごうせいせいしゅ アルコールに清酒や糖類、アミノ酸等を添加し、清酒に似せて造られたリキュールのこと。戦前の米不足の時代に主食の米を使用せずに清酒と同等の品質の酒をつくろうと大正14年(1925)理化学研究所で製造されたのが起源と言われる
硬度 こうど 硬度の表記にはドイツ硬度とアメリカ硬度があり、ドイツ硬度では100ml中に含まれるカルシウム,マグネシウム含まれている量を炭酸カルシウムに換算した量を言う。換算式は、ドイツ硬度:1dh=アメリカ硬度:17.8ppm。
この値が高いと硬水、低いと軟水となる。
酵母 こうぼ アルコール発酵発酵に欠かせない微生物で、糖を食べてアルコール等を生成する。種類によって吟醸酒独特の香り成分を生成したり糖分の分解する力が強かったりと特性があるので、醸造の際には目的によって使い分けられる事が多い
酵母無添加 こうぼむてんか 生酛系酒母を造る際に、蔵に住み着いている酵母が降りてくるのを取り込み酛立てを行うこと
こく 日本酒の計量単位。1石=180ℓ
こしき 原料米を蒸す為に用いる口径の大きな桶状の道具
甑返し こしきかえし 酒造シーズンで、醪仕込みの最後日を言う
古酒 こしゅ 酒造業界では前年度に造られた清酒を古酒と言う。(本年度内に造られた清酒は新酒と言う)古酒の表示には明確な取り決めは無い
五百万石 ごひゃくまんごく 育成年(品種登録された年)の昭和32年に新潟県で米の生産量が500万石となった事を記念して命名された酒造好適米。心白が大きく高精白には向かないが麹が造りやすいとされる。新潟県産が有名

サ行

用語 読み 説明
酒匠 さかしょう 日本酒のソムリエ唎酒師の上位資格。日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)が認定する資格
佐香神社 さかじんじゃ 島根県出雲地方にあり、酒と農業の神である久斯之神(くすのかみ)を主祭神とし、松尾神社とも言われる。佐香(さか)は酒(さけ)の古名のことで、佐香は日本酒発祥の地と伝えられている。現在でもお神酒の造酒を行っており、秋の大祭には濁酒が振る舞われる
さかずき 中央が窪んだ円形の酒器で下部に高台と云う突起あり、日本酒を呑むのに使用する。現代ではお屠蘇や結婚式の三々九度など儀礼的な場で使用される事が多い
酒林 さかばやし 酒蔵の軒先に新酒が出来たことを知らせる為に吊るされる、杉の葉を束ね直径40cmくらいに刈り揃えて作った玉のこと。杉玉とも言う
酒袋 さかぶくろ 醪を入れて酒を濾す為に使用する袋のことで、槽を使用した上槽に用いる。袋吊りで使用する封筒状のものもこれに含まれる
酒槽 さかぶね 酒を上槽する際に酒袋を中に並べて圧搾するのに用いる器物のこと。単に槽(ふね)と呼ぶこともある
酒米 酒米 一般米のうち、酒造用に用いられる種類のお米のこと。酒造用米全般を言うこともある
酢酸イソアミル さくさんいそあみる 吟醸香の成分の一つでバナナの様な香りを生じる。6号酵母の発酵に由来する
酢酸エチル臭 さくさんえちるしゅう 清酒の香気成分であるエステル成分のひとつだが、香気成分のバランスが崩れ過剰になるとセメダインの様なにおいに感じられる
酒粕 さけかす 酒を圧搾して上槽した際に、醪から清酒と分離された固形物のこと。未溶解の米粒や酵母、清酒成分を含んでおり栄養価が高く、食用や漬物、焼酎の原料などに使用される。
酒造り唄 さけづくりうた 蔵人が酒造りの各工程で歌う作業歌のこと。歌いながら作業を行うことで作業者を鼓舞すると共に、歌の拍子で作業のスピードをコントロールし、歌の長さで作業時間を測る
雑味 ざつみ 日本酒の味覚のうち不快な味などを言う。欠点を指摘する用語で、他の味の構成要素との調和が崩れて苦味が強いときなどに使う
酸化 さんか 日本酒が空気中の酸素と触れて結合すること。香味成分に悪い影響を与えることもある
三増酒・三倍増醸酒 さんぞううしゅ・さんばいぞうじょうしゅ 第2次大戦後の米不足の時代に考案された、本来の醪に水と醸造用アルコールを加えて増量し、薄まった味わいを補う為に合成清酒で開発された成分(ブドウ糖,水飴,乳酸,コハク酸など)を加えて造られる清酒。概ね3倍に増量される為、この様に呼ばれた。単に増醸酒と呼ばれる事もある
三段仕込み さんだんじこみ 日本酒の醸造の過程で醪の仕込みを行う際に、一度に全ての米,麹,水を仕込まずに3回に分けて仕込む手法のこと。一度に全ての原料を仕込むと酒母の酵母の増殖が間に合わない他、乳酸による酸性の雰囲気が薄まり雑菌に汚染される可能性が高まる事を避ける為に3回に分けて、酵母の増殖をコントロールしながら醪を仕込んでゆく
酸度 さんど 清酒に含まれる酸を中和するアルカリの量を言い、一般的な清酒の酸度は1.0〜2.0位であり数字が大きい方が酸味が多い事を示す。日本酒に含まれる酸は主に有機酸で、コハク酸,リンゴ酸,乳酸などである
醪の発酵の状態のひとつで、発酵の最後期には泡が消え醪の表面が渋皮状の薄皮や液面が露出する状態になること。全く泡の無い状態を坊主と言い淡麗な酒質に、蒸米が浮かんで蓋を形成する飯蓋では濃醇な酒質になると言われる
色沢 しきさわ 日本酒の色や混濁の状態を言い、品質を表す重要な要素の一つ。原料に由来する淡い黄色はフラビン( ビタミン)の色であり、貯蔵中にメラノイジンと云う褐色物質が増加する為、通常は古酒になると日本酒の色は赤味を帯びてくる
四季醸造 しきじょうぞう 四季を通じて醸造すること。気温の高い真夏でも仕込みを行う為、空調設備や仕込みタンクへの冷却装置などを用いる
仕込み しこみ 原材料である麹, 蒸米, 水等を加えて、酛(酒母)や醪を造ること
仕込み水 しこみすい 醸造用水のうち仕込みに使用される水のこと。この水質は酒質に大きな影響を与える為、特に酵母の成長に必要なミネラル分(カリウムやマグネシウム等)を適度に含み、着色の原因になる鉄分やマンガン等をほとんど含まないなどの特徴を持つ事が良いとされる
雫酒 しずくざけ 袋吊りと同じだが、袋から滴り落ちるところを指してこの様に言う
搾り しぼり 上槽のこと。醪を詰めた酒袋を酒槽(槽)に敷き詰めて上から圧力を掛ける「槽による搾り」,袋に醪を詰め吊るした袋から滴り落ちる清酒を集める「袋吊り」,自動圧搾機(ヤブタ式と呼ばれる物が有名)による方法等がある
しぼりたて しぼりたて 新酒のこと。一般的には出来上がったばかりの日本酒をいうが、酒造業界では酒造年度(製造の始めた年の7月から翌年6月まで)内に出荷されたものを新酒と言う
仕舞い仕事 しまいしごと 麹造りの工程の一つで、仲仕事のあと品温を下げ麹の温度を均一にするため撹拌し、水分を調整する為に蒸米を広げて畝状の溝を作る作業のこと
下灘目郷 しもなだもくごう 明和年間(1764年〜1772年)には上灘目郷と下灘目郷と今津郷で灘目三郷と称したが現在は存在しない。現在の灘五郷の西側に当たる
蛇の目きき猪口 じゃのめききちょこ 酒を唎く際に用いる大きな白磁の湯呑みのこと。酒のうす濁りを観察する為に、底に太く青い蛇の目が描いてあるのでこの様に言われる
酒器 しゅき 日本酒を運んだり飲む為に使用する器や容器のこと。猪口,ぐい呑,盃,グラス,徳利,銚子,片口などがある
熟成 じゅくせい 火入れした清酒をタンクに貯蔵し、新酒香がとれて味も刺激味が取れ丸くなる、この現象を言う
熟成古酒 じゅくせいこしゅ 3年以上蔵元で熟成させた、糖類添加酒を除く清酒(©️長期熟成酒研究会)
酒税法 しゅぜいほう 酒類に課税し酒税を保全する為に、お酒の製造方法や原材料,販売などについて定めた日本の法律。酒類とはアルコール分を1%以上含んでいる飲料と定めている
酒造好適米 しゅぞうこうてきまい 大粒で心白を持つ軟質米といった酒造りに向いた優れた性質を持つ、産地銘柄ごとに食糧庁に指定を受け特別な規格が定められた米のこと。醸造用玄米とも呼ばれる
酒造年度 しゅぞうねんど BY(Brewery Year)とも言う。日本独自の期間の区分で、新酒製造の始まる7月1日から翌年6月30日までの期間を言い、製造開始年が平成29年ならば29BYと表示する
酒母 しゅぼ 酛とも言う。醪を仕込む前に優良な酵母を大量に培養したもの。速醸系酛と生酛系酛がある
熟酒 じゅくしゅ 熟成タイプの日本酒。ドライフルーツやスパイスの様な複雑な熟成香と、とろりとした飲み口が特徴。色調は淡い琥珀色からルビー色まである。長期熟成酒や熟成古酒などが該当し、20年位熟成したものもあり高価な物が多い
醇酒 じゅんしゅ コクのあるタイプの日本酒。原料の米を感じさせる、ふくよかな香りと旨味やコクを感じさせる濃醇な味わいが特徴
純米吟醸酒 じゅんまいぎんじょうしゅ 吟醸香という華やかな香りと、すっきりとなめらからかな味わいが特徴である特定名称酒。米・米麹・を原料とし、原料米の精米歩合が60%以下のもの
純米酒 じゅんまいしゅ 米・米麹・を原料とした特定名称酒
純米大吟醸酒 じゅんまいだいぎんじょうしゅ 吟醸香という華やかな香りと、すっきりとなめらからかな味わいが特徴である特定名称酒。米・米麹・を原料とし、原料米の精米歩合が50%以下のもの
上燗 じょうかん 日本酒を温める燗酒の温度の呼び名で、45℃付近の温度帯を言う
上槽 じょうそう 醪を漉して清酒と酒粕に分ける操作で、搾りとも言う。醪を詰めた酒袋を酒槽(槽)に敷き詰めて上から圧力を掛ける「槽による搾り」,袋に醪を詰め吊るした袋から滴り落ちる清酒を集める「袋吊り」,自動圧搾機(ヤブタ式と呼ばれる物が有名)による方法等がある
醸造用アルコール じょうぞうようあるこーる 醸造の過程で醪に加えるアルコール(ホワイトリカーと同じ物)のこと。元々は江戸時代に清酒の腐敗を防ぐ目的で行われたが、第二次大戦後の物資不足の時代には増量のために添加する事が行われた。現在では酒質を軽く綺麗にしたり吟醸香を引き立たせる目的で加えられる事もある
食後酒 しょくごしゅ 食後にデザートなどと楽しむお酒。洋酒ではデザートワインやブランデー等。日本酒では熟酒や貴醸酒等が該当する
食前酒 しょくぜんしゅ 食事の前に食欲の増進などの為に飲むお酒。香りが高かったり、さっぱりした口当たりのお酒を飲む事が多い。洋酒ではスパークリングワインやシェリー等。日本酒では薫酒や爽酒等が該当する
食中酒 しょくちゅうしゅ 食事中に料理と共に楽しむお酒。料理の味を引き立てたり臭みなどを打ち消す等のほか、組み合わせで新しい味わいを楽しむ(マリアージュ)等の特性を持つお酒を選ぶ。洋酒ではワインが代表的。日本酒では爽酒や醇酒、一部薫酒等が該当する
シングル酵母 しんぐるこうぼ 日本醸造協会が頒布する酵母で、協会1号から9号までの一桁の数字の物を言うが、通常は吟醸酒用酵母の6,7,9号酵母の事を示す
新酒 しんしゅ 一般的には出来上がったばかりの日本酒の事をいうが、酒造業界では酒造年度(製造の始めた年の7月から翌年6月まで)内に出荷されたものを新酒と言う
浸漬 しんせき 日本酒醸造工程の一つで、洗った原料米を蒸す前に仕込み水に浸して吸水させること
心白 しんぱく 酒造好適米の特徴の一つで、米の内部にある白色で不透明な部分。この部分は細胞内のデンプン粒の密度が粗く、麹を造る時に麹菌の菌糸が内部まで入り込む為、良い麹を造り易い
杉玉 すぎだま 酒蔵の軒先に新酒が出来たことを知らせる為に吊るされる、杉の葉を束ね直径40cmくらいに刈り揃えて作った玉のこと。酒林とも言う
筋泡 すじあわ 醪の発酵の状態のひとつで、留添えのあと醪の表面小さい泡が筋状になって現れる状態。発酵の開始を意味する
涼冷え すずひえ 日本酒を冷やす冷や酒の温度の呼び名で、15℃付近の温度帯を言う
炭臭 すみしゅう 清酒の濾過に使用する活性炭の匂いが酒に移った為に感じる不良臭
製麴 せいきく 日本酒醸造工程の一つで麹を造ること。麹室で行われる
清酒 せいしゅ 日本酒の事。醪を漉すので、澄んだお酒(澄み酒)になる事からこの様に呼ばれる
精米 せいまい 玄米の胚芽や表面を削り、含まれているタンパク質や脂質,灰分を醸造に適した様に取り除くこと。
酒造用には一般米とは異なり専用の縦型精米機を使用し高精白を行う。精米の時間は、精米歩合70%で約10時間、50%では約40時間も要する。精米後の原料米は熱を持ち、水に浸すと割れてしまう為、枯らしと云う工程で2〜3週間保管する
精米機 せいまいき 酒造用には一般米とは異なり専用の縦型精米機を使用し高精白を行う。精米機の回転軸が垂直になっており金剛ロールと云う砥石で直接玄米の表面を削って精米を行い、目標の精米歩合になるまで何度もこの精米機を通して少しづつ削ってゆく
精米歩合 せいまいぶあい 玄米を削って残った部分の割合をパーセントで表したもの
精米後の白米の重さ÷玄米の重さ×100=精米歩合(%)
責め せめ 上槽の工程の一部で、醪を詰めた酒袋を酒槽(槽)に敷き詰めて上から圧力を掛ける「押し槽」の後、酒袋を積み替え更に加圧して搾ること。この工程で上槽した清酒も「責め」と呼ばれ、雑味が多い酒質になる
全国新酒鑑評会 ぜんこくしんしゅかんぴょうかい 独立行政法人酒類綜合研究所が、新酒を全国的に調査研究することで清酒の品質向上をはかることを目的とし、毎年実施する日本酒の吟醸酒対象のコンテストのこと。出品酒の中で優秀なものは「入賞酒」、入賞のうち特に成績の優秀なものを「金賞酒」と言う
洗米 せんまい 日本酒醸造工程の一つで精米時に付着した糠等を洗うこと。洗米時にも原料米は給水する為、浸漬時間はこの工程での給水率も考慮して決められる
千粒重 せんりゅうじゅう 形の整った玄米1000粒の重量のこと。米粒の大きさの指標や精米歩合の計算などに用いる
爽酒 そうしゅ 軽快でなめらかなタイプの日本酒。香りは控えめだが、軽快で淡麗な味わいが特徴。最も多く見られるタイプ
総破精 そうはぜ 出来上がった麹の状態で、麹菌の菌糸が米の表面全体から内部にまで食い込んでいるものの事。濃醇な酒質に向くとされる
速醸系酒母 そくじょうけいしゅぼ 酒母造りの初期に醸造用の乳酸と純粋培養酵母を加えて造る酒母(酛)のことで、安全に短期間で酛立てを行う事ができる。明治43年(1910)に国立醸造試験場で開発された手法で、淡麗な酒質が得られ易いとされる

タ行

用語 読み 説明
大吟醸酒 だいぎんじょうしゅ 吟醸香という華やかな香りと、すっきりとなめらからかな味わいが特徴である特定名称酒。米・米麹・醸造用アルコールを原料とし、原料米の精米歩合が50%以下のもの
高泡 たかあわ 醪の発酵の状態のひとつで、岩泡のあと多量の酵母が培養され発酵が盛んになり高い泡が立った状態を言う
たな 製麴の工程で使用する麹蓋を置く棚のこと。麹室の内部の壁際に作られ、麹蓋をこの上に重ねて積み上げ、壁沿いに並べる
種麹 たねこうじ 麹を造る際に用いる麹菌のことで、米に麹菌の胞子をつけたもの。「もやし」とも言われる
種振り たねふり 製麴の工程の一部で、床もみを行い品温を下げ床に均一に広げた蒸米に、専用の容器に入れた種麹の胞子を振り掛けることを言う
玉泡 たまあわ 醪の発酵の状態のひとつで、落ち泡のあと醪の発酵の後期で泡立ちが少なくなり玉のような泡が表面を覆っている状態を言う
樽酒 たるざけ 木製の樽に詰められて販売される清酒で、木香と言われる杉の香りが移っている事が特徴。清酒の製法品質表示基準の任意記載事項では「木製の樽で貯蔵し、木香がついたお酒」と定められており、出荷時に瓶詰めされているかは問わない
段仕込み だんじこみ 醪を仕込む際に一度に原料を仕込んでしまわずに、複数の回数に分けて仕込みを行うこと。一般には三段仕込みのこと。
たんぱく質 たんぱくしつ たんぱく質は玄米全体に含まれているが、特に表層部に多く含まれている。日本酒では分解されてアミノ酸となり旨味の味わいとなるが、多すぎると雑味や着色の原因になる他、醸造の際に吸水や糖化酵素による分解が悪くなる為、酒米では低たんぱく質の物が良いとされている
丹波杜氏 たんばとうじ 南部杜氏(岩手県),越後杜氏(新潟県)と並ぶ三大杜氏の一つで、兵庫県篠山市発祥の杜氏集団。播磨杜氏の流れを汲むとされ、灘五郷で丹波流と言われる高い技術力を発揮している
淡麗 たんれい 雑味が少なく、きれいな酒質のこと
長期熟成酒 ちょうきじゅくせいしゅ 日本酒は通常半年から一年熟成させるが、それ以上の期間熟成させたお酒で、甘い熟成香とまろやかな味わい。色調は淡い琥珀色からルビー色まである
銚子 ちょうし 日本酒を注ぐ為に用いる酒器の一つ。元々はお屠蘇や三三九度などの神事で盃にお酒を注ぐのに用いる高級な酒器を指すが、現在では徳利と同じ意味で使われる事が多い
突き破精 つきはぜ 出来上がった麹の状態で、麹菌の菌糸が米の表面はさほどでもないが内部にまで食い込んでいるものの事。吟醸酒や淡麗なな酒質に向くとされる
つわり香 つわりか 醪の異常発酵や火落ち菌に汚染された場合に生じる、製造工程起因の日本酒の劣化臭でヨーグルトやバターの様なにおいに感じる
テクスチャー てくすちゃー 酒を口に含んだ時の口当たりのこと。アタック,飲み口とも言う
出麹 でこうじ 麹造りの工程の一つで、仕舞い仕事の後これ以上麹菌が繁殖しない様に、麹を麹室から出して冷ますこと
てつ 酒造用水の有害成分の一つ。鉄分が含まれていると醪で麹菌が生成した物資と結合して酒が赤褐色に変色したり味を劣化させる。また活性炭等で濾過する事も困難である為、酒造用水はは鉄を含まない事が重要であると共に、酒造の各設備や道具等も鉄を使わない様に配慮されている
糖化 とうか 日本酒の原料となる米は糖分を含まない為、そのままでは酵母菌はアルコール発酵を行う事はできない。そのために麹カビが生成する酵素の作用で含まれるでんぷん質を糖に変える。この作用を糖化と言う
杜氏 とうじ 蔵人の職制の一つで、酒蔵に於ける酒造りの一切を任されている総責任者のこと
糖類 とうるい 醸造の過程で醪に加える調味アルコールに添加する水飴やブドウ糖のことで増醸酒に用いられる
特定名称酒 とくていめいしょうしゅ 大吟醸酒,吟醸酒,特別本醸造酒,本醸造酒,純米大吟醸酒,純米吟醸酒,純米酒,特別純米酒の8種類を言い、酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律により、原料、製造法、精米歩合、麹米の使用割合などが規定されている
特別純米酒 とくべつじゅんまいしゅ 精米歩合が60%以下または(その蔵元の他の製品に対する)特別な製造方法で造られた純米酒のことで、特定名称酒のひとつ
特別本醸造酒 とくべつほんじょうぞうしゅ 精米歩合が60%以下または(その蔵元の他の製品に対する)特別な製造方法で造られた本醸造酒のことで、特定名称酒のひとつ
徳利 とくり 陶器や磁器製で首の部分が細く造られた酒器。日本酒を運んだり猪口に注ぐのに用いる。1合から2合位の容量の物が多く、そのまま湯煎できる事から良く用いられている
とこ 麹室の中に置いてあり、製麴の工程で蒸米の床もみや種振り等を行う為の木製やステンレス製の大きな台のこと
床麹法 とここうじほう 製麴の工程で、盛りの作業の時に麹箱を使わずに出麹まで一つの床で行う方法のこと。蒸米の品温調整は蒸米の厚さや掛け布で調整する。使用する床は底板部に空気が通る様にするなど工夫が施されている
飛び切り燗 とびきりかん 日本酒を温める燗酒の温度の呼び名で、55℃以上の温度帯を言う
斗瓶 とびん 1斗(18ℓ)入りの瓶のこと。酒蔵内で出品酒用の袋吊りで上槽する際などに用いられる
斗瓶囲い とびんかこい 袋に醪を詰め吊るした袋から滴り落ちる清酒を斗瓶に採取する上槽の方法のこと。空気に触れにくいので酸化しにくく、出品酒や高級酒の上槽に用いられる
どぶろく(濁酒) どぶろく 日本酒同様に米を発酵させて作るが、醪を濾していない状態で商品化されたお酒で、酒税法上は「その他醸造酒」に分類される
ドメーヌ どめーぬ フランスのワイン生産シャトーの様に、原料となる酒米の生産を水田と仕込み水の水脈に関連付けたり自家保有田での酒米を使用するなど、地産地消にこだわりを持った酒造りのこと
留添え とめぞえ 三段仕込みで仕込む際の最後(3回目)の仕込みの事で、仕込みを始めてから4日目に行う

ナ行

用語 読み 説明
中郷 なかごう 灘五郷の一つで上灘目の中央に位置し、現在の御影郷に当たる。兵庫県神戸市東灘区の沿岸部。
仲仕事 なかしごと 製麴の工程の一部で、盛り作業の後7〜9時間後に、麹箱や床の中で蒸米を混ぜ合わせ(手入れ)広げる作業を言う。
仲添え なかぞえ 三段仕込みで仕込む際の2回目の仕込みの事で、仕込みを始めてから3日目に行う
中取り・中垂れ・中汲み なかどり・なかだれ・なかぐみ 上槽の工程の一部で、醪を詰めた酒袋を酒槽(槽)に敷き詰めて上から圧力を掛ける「押し槽」で搾ること。この工程で上槽した清酒は一番香味のバランスがとれた酒質になる
灘五郷 なだごごう 日本酒の酒どころの一つで神戸市灘区新在家から西宮市今津にかけての沿岸地域に位置する。明和年間(1764年〜1772年)には上灘目郷,下灘目郷と今津郷で灘目三郷と称した。現在は、西郷,御影郷,魚崎郷,西宮郷,今津郷の5つを総称して灘五郷と言う
元禄年間(18世紀初頭)から江戸で諸白酒が下り酒として名声を得た事で発展し、名水として知られる宮水や丹波杜氏の酒造技術により今なお日本酒の最大の生産地となっている
灘の生一本 なだのきいっぽん 灘五郷の単一の製造場のみで醸造した純米酒のこと
灘酒研究会に加盟する灘の蔵元9社により、2011年から「灘の生一本」の統一ラベルによる商品がシリーズ化されている
灘目 なだめ 明和年間(1764年〜1772年)には上灘目郷と下灘目郷と今津郷で灘目三郷と称した
夏酒 なつざけ 夏を意識して造られたさっぱりした日本酒
7号酵母 ななごうこうぼ 協会7号(真澄酵母)のこと。優秀な酒質の酵母として最も多く使われており、長野県の宮坂醸造(酒名:真澄)が発祥蔵
生酒 なまぜけ 醪(もろみ)を搾っただけのお酒。火入れ処理をしていないのでフレッシュな味わい。炭酸を含むものもある
生貯蔵酒 なまちょぞうしゅ 醪(もろみ)を搾りたてのまま低温で貯蔵し、出荷前に一度だけ火入れしているお酒。生の風味が残っている
生詰酒・生詰め酒 なまづめしゅ 醪を搾ったお酒を一度火入れしてから約半年ほど貯蔵熟成し、二度目の火入れをせず出荷したもの。「ひやおろし」「秋晴れ」「秋上がり」などとも呼ばれる
生老香 なまひねか 生酒を室温で放置した際に生じる刺激的な不良臭のこと
軟水 なんすい 世界保健機関(WHO)の基準でカルシウム,炭酸カルシウムが60ppm以下の水を軟水と言う。
硬水・軟水の基準は酒造業界では世界保健機関(WHO)の基準と異なり酒造用水(国税庁所定分析法)の基準を通常用い、軟水,中軟水,軽硬水,中硬水,硬水,高硬水の区分がある。日本では軟水が多い
南部杜氏 なんぶとうじ 丹波杜氏(兵庫県),越後杜氏(新潟県)と並ぶ三大杜氏の一つで、岩手県発祥の日本最大の杜氏集団
にごり酒 にごりざけ 醪を粗い目の布で濾しただけの白く濁ったお酒で、火入をしていない生酒
西郷 にしごう 灘五郷の一つで上灘目の西端に位置し、現在の兵庫県神戸市灘区の沿岸部
西宮郷 にしのみやごう 灘五郷の一つで兵庫県西宮市南東部の脇浜,用海地区に位置し宮水井戸がある。灘目には含まれていなかったが、明治19年(1886)下灘が外れ西宮郷が加わった
日光臭 にっこうしゅう 日本酒を太陽光や紫外線に晒す事で生じる焦げ臭い不良臭
日本酒度 にほんしゅど 日本酒の比重を表しており、糖分がアルコールに変わると比重が減少し値は大きくなるため、いわゆる「辛口」の指標として用いられるが、味わいは香りや酸度等にも影響を受けるので、この値が大きいからといって必ずしも辛口の味わいと感じるとは限らない
乳酸 にゅうさん 日本酒の醸造の過程で、酛(酒母)を造る際に優良な酵母を純粋かつ大量に培養するのに重要な役割を果たす物質。生酛系酒母では自然界の乳酸菌を取り込み培養する事で乳酸を生成し酛立てを行うが、速醸系酛では醸造用の乳酸を添加する事でこれを代用して短期間で酛立てを行う
乳酸菌 にゅうさんきん 生酛系酒母で酛建てを行う際に乳酸菌を培養する事で酒母を酸性雰囲気にし、他の雑菌の汚染を防ぎ酵母が育ちやすい環境にする。しかし乳酸菌の中には、火落ち菌と云う日本酒を劣化させる悪玉菌も存在するので、これは上槽後に火入れを行う事で殺菌する
ぬる燗 ぬるかん 日本酒を温める燗酒の温度の呼び名で、40℃付近の温度帯を言う
呑・呑口 のみ・のみくち 上槽後の清酒を貯蔵するタンクの下部にある2つの取り出し口のこと。上側を上呑み(うわのみ)下側を下呑み( したのみ)と言い、通常は上呑みから清酒を取り出す。この作業を滓引きと言う。下呑みから取り出すと、滓酒や滓がらみになる
呑み切り のみきり 貯蔵タンクの呑み口から少量の清酒を採取し、貯蔵状態を検査したり香味の変化を調べたりする事を言う

ハ行

用語 読み 説明
白米 はくまい 玄米を精米し、胚芽や米の表面を削った米のこと
箱麹法 はここうじほう 製麴の工程で麹箱を用いて麹カビを育成する方法のこと。管理に手間が掛かる為に高級酒の製麴に使用される事が多い
柱焼酎 はしらじょうちゅう 江戸時代の伊丹酒で江戸送りの酒に用いられた手法で、清酒の腐敗を防ぐ為にアルコール度数の高い焼酎を加えること。目的は変わってきているが現在も行われている醸造用アルコール添加の原型とも考えられる
破精 はぜ 麹米の表面に見える麹菌菌糸による白い斑点のこと。表面の状態により、表面はそれほどでもないが内部まで破精が食い込んでいるものを「突き破精型」、表面,内部共に破精ているものを「総破精型」と言う
初揚げ はつあげ その年最初の新酒を上槽(搾る)すること
初添え・添え仕込み はつぞえ・そえじこみ 三段仕込みで仕込む際の最初(1回目)の仕込みの事で、仕込みタンクに酒母,麹,仕込み水を入れておき、1〜2時間後に蒸米を仕込み、これを初添えと言う
発泡酒 はっぽうしゅ 炭酸ガスを含んだ、シャンパンの様な口当たりのお酒
花酵母 はなこうぼ 自然界の花から分離された酒造用の優良酵母のこと。東京農業大学の久保教授が生みの親
花冷え はなびえ 日本酒を冷やす冷や酒の温度の呼び名で、10℃付近の温度帯を言う
ばら麹 ばらこうじ 蒸したうるち米の表面に麹菌を生やした麹。撒麹(さんぎく)とも言う。
中国や東南アジアでも麹を使うが、レンガ状に固めたクモの巣カビの麹「餅麴」(へいぎく)を用いる
半切り桶 はんぎりおけ タライ状の大きな桶で酛分けなどに用いる。木製の物は生酛造りの酛摺りにも用いる
火入れ ひいれ 上槽した清酒を60℃前後に加熱し殺菌と酵素の働きを止めること。パストゥ−リゼーションとも言われるが、日本酒ではパストゥールがこの方法を発見した17世紀より古く14世紀の室町時代から行われていたと考えられている
火落ち菌 ひおちきん 乳酸菌の一種で、これが清酒中に繁殖すると白濁し悪臭を放つ為に飲めなくなる
引き込み ひきこみ 蒸米を麹室に運び込み、床の上に積み上げた後に布を掛けて保温しておくこと
人肌燗 ひとはだかん 日本酒を温める燗酒の温度の呼び名で35℃付近の温度帯を言う
日向燗 ひなたかん 日本酒を温める燗酒の温度の呼び名で30℃付近の温度帯を言う
老香 ひねか 火入れした日本酒を温度の高い状態で保管すると生じる劣化臭。管理された古酒では熟成香と言い特有の香りとされる
ひねりもち ひねりもち 蒸米の蒸しの状態を確認する為に作る、蒸米を練って伸ばし平らな餅状にしたもの
ひやおろし ひやおろし 冬場に造った清酒を春,夏を越えて貯蔵熟成し、秋口に出荷する生詰め酒。「秋晴れ」「秋上がり」などとも呼ばれる
兵庫県特A地区 ひょうごけんとくAちく 酒造好適米の山田錦の産地の内、特に優良な特A区分の酒米を生産する地区を設定したもの。山田錦は長稈で倒伏しやすいので高度の栽培技術が必要なほか、晩生品種であるため台風などの影響を受けない方が良い。また昼夜の温度差が大きく粘土質の土壌等の恵まれた立地条件がなければ良い米に育たない。これらの条件の揃った、兵庫県三木市 吉川町,加東市 旧東条町,加東市 旧社町に特A指定地区が在る
瓶囲い火入れ びんがこいひいれ 瓶詰め後、瓶のまま湯煎で火入れを行うこと。瓶燗火入れとも言う
瓶詰め びんづめ 酒造りの工程の一つで、清酒を瓶に詰めること。この際に異物の混入などが無いかの検査も行われる
蒸し ふかし 酒造りの工程の一つで、醸造用の酒米を甑を用いてむすこと
含み香 ふくみが 酒を口に含んだ後、鼻に抜ける香りのこと。アフターフレーバーとも言う
袋吊り ふくろつり 袋に醪を詰め吊るした袋から滴り落ちる清酒を集める上槽の方法を言う。斗瓶囲いや雫酒と同じもの
腐造 ふぞう 雑菌(腐造性の乳酸菌や野生の悪玉酵母等)により醪が腐ること。腐造した醪は廃却するしかない
2桁酵母 ふたけたこうぼ 日本醸造協会が頒布する酵母で、協会10号,14号,18号が代表的。カプロン酸エチルというリンゴの香りの様な吟醸香を生じる近代優良酵母
蓋麹法 ふたこうじほう 製麴の工程で、盛りの作業の時に麹蓋と云う木製の盆をを用いて麹の育成を行う方法のこと。麹蓋方が行われるまでに行われていた方法なので在来方とも言う。麹の管理に手間が掛かるが目標とする麹の品質に導き易いので、吟醸酒の製麴に使用される事が多い
普通酒 ふつうしゅ 清酒のうち、特定名称酒の8種類に含まれないもの。但し蔵によっては上質な普通酒を造っているところもある。上選や佳選などの表記があるが、特に規定が無い為、判断基準は蔵元に依る
槽場 ふなば 酒蔵で、上槽する設備を設置してある場所
ふね 上槽に使用する設備で、酒袋を敷き詰め圧力を掛けて清酒を絞る道具を言う。佐瀬式搾りや八重垣式搾り等がある。時間と労力を要するので、高級酒の上槽に使われる事が多い
BY(ブルワリーイヤー) ぶるわりーいやー 酒造年度のこと。BY(Brewery Year)とも言う。日本独自の期間の区分で、新酒製造の始まる7月1日から翌年6月30日までの期間を言い、製造開始年が平成29年ならば29BYと表示する
ペアリング ぺありんぐ お酒とお料理を相性良く組み合わせること
並行複発酵 へいこうふくはっこう 日本酒独特の発酵形態で、麹菌による糖化と酵母菌によるアルコール発酵を並行して同時に行う。糖が出来ると並行してアルコール発酵が行われるので糖が醪に蓄積されないため高濃度のアルコールを生成する事が出来、日本酒醪の発酵終了時にはアルコール度数は19度前後にも達する
可杯 べくはい 指で押さえれていないと酒が漏れる穴が有ったり、置くと傾いて酒が溢れてしまうなど、お酒を飲み切らないと置く事ができない仕組みの酒器のこと
ボーメ ぼーめ 比重を表しており、糖分がアルコールに変わると比重が減少し値は大きくなるためこれを表示する。日本酒度はボーメ計の値の10倍である
菩提酛 ぼだいもと 生酛系酒母の一つで、奈良県の菩提山正暦寺にて14世紀頃に生まれた、夏場でも安全に酒母を造る手法。水酛と言われる事もある。水に浸けた白米に飯を埋めておき、生成した乳酸の浸け水を仕込みに使う事で気温の高い夏場にも安全に仕込みを行う事ができた。これは現代の生酛系酛の先祖とも言える
本醸造酒 ほんじょうぞうしゅ 特定名称酒の一つ。米・米麹・醸造用アルコールを原料とし、原料米の精米歩合が70%以下のもの

マ行

用語 読み 説明
マグネシウム まぐねしうむ 仕込み水に含まれる有用成分の一つ。麹菌や酵母の生育に必要
松尾大社 まつおたいしゃ 京都府京都市にあり、御祭神は大山咋神 (おおやまぐいのかみ)と、市杵島姫命 (いちきしまひめのみこと)で、醸造祖神として知られる
マリアージュ まりあーじゅ 全く異なる風味のお酒とお料理の組み合わせで、新しい風味が生じること
マンガン まんがん 酒造用水の有害成分の一つ。清酒の日光着色を促進させる成分で、鉄同様少ないほど良い
御影郷 みかげごう 灘五郷の一つで上灘目の中央に位置し、現在の兵庫県神戸市東灘区沿岸部の御影地区
水泡 みずあわ 醪の発酵の状態のひとつで、筋泡から半日から1日経った頃に醪の表面に薄く白い膜の様な泡広がった状態
水酛 みずもと 飯米を水に浸しておくことで乳酸菌を繁殖させて乳酸を生産させたその水を酛に使用する、生酛系酒母の原型。
美山錦 みやまにしき 山田錦と五百万石に次ぐ第3位の生産量の酒米品種。耐寒性が強く酒造敵性が高いことから、長野県や東北地方を中心に広く栽培されている
宮水 みやみず 兵庫県の灘五郷で使用される中硬水の酒造用水で、江戸時代(1840年頃)に灘の酒造家の山邑太左衛門が発見者とされる。兵庫県西宮市沿岸部の宮水地帯に湧出し、現在も宮水発祥の「梅の木井戸」が残っている。宮水は六甲山系の河川である夙川などの伏流水で、鉄分が少なく、宮水地帯で海水の影響を受けることで、カリウム,カルシウムやリンなどのミネラル分が多く含まれ、麹や酵母の発育に適した水となっている
蒸し むし 酒造りの工程の一つで、醸造用の酒米を甑を用いてむすこと。蒸し(ふかし)と同じ
蒸米 むしまい 麹づくりや酒母,醪造りに使う為に、甑で蒸したお米
ムレ香 むれか 火入れをしない清酒を常温で貯蔵・保管した時に生ずる劣化臭
もと 酒母とも言う。醪を仕込む前に優良な酵母を大量に培養したもの。速醸系酛と生酛系酛がある
酛立て もとだて 酒母造りの工程で、最初に麹と蒸米と仕込み水をを混ぜること。その酒造期の最初の酛立てのことを酛はじめと言う
種麹・もやし もやし 麹を造る際に用いる麹菌のことで、米に麹菌の胞子をつけたもの。種麹とも言い、専門の業者である麴屋・種麹(もやし屋)が製造する
盛り もり 製麴の工程の一部で、切り返し作業の後12時間くらい経過すると蒸米の表面に白い菌糸が見え始めるので、蒸米をほぐして一定量毎に蒸米を箱に盛り付ける作業のこと
諸白 もろはく 原料米を精白する際に麹米と掛け米ともに精白したもの。起源は16世紀中頃、奈良県の菩提山正暦寺と言われ、以後南部(奈良)諸白として高級酒で名を馳せるが、江戸時代迄は片白(掛け米のみ精白する方法)による造りが一般的で有った。元禄年間には各地で諸白造りが行われる様になり、現代の日本酒は全て諸白造りが用いられている。
もろみ 醸造における主発酵の工程で、酒母に麹,掛け米,仕込み水を加えて発酵させたもの

ヤ行

用語 読み 説明
野生酵母+E2C290:E298 やせいこうぼ 日本酒造りの醸造において、健全な働きをする酵母以外を野生酵母という。特に生酛系酒母を育成する過程では、野生酵母は仕込み水に由来する硝酸還元菌の生成する亜硝酸と蔵に住む乳酸菌生成する乳酸の作用で淘汰される
ヤブタ やぶた 上槽に用いるヤブタ式自動圧搾機のこと。濾板と空気袋の圧搾版が交互に組み合わされていて、各圧搾板が均等に醪に圧力を掛ける事ができる。日本中の蔵元で多く使用されている
山卸し やまおろし 生酛造りの工程の一つで、半切り桶に仕込み水を吸って山の様に盛り上がった蒸米を蕪櫂(かぶらがい)ですり潰す作業を言う
山田錦 やまだにしき 山田穂と短稈渡船を親に持つ酒造好適米で晩生品種。心白が小さく高精白が可能でたんぱく質の含有が少ない。栽培し難いが酒を造り易い酒米として最も多く栽培されている。特に兵庫県三木市 吉川町,加東市 旧東条町,加東市 旧社町にある特A地区産の物が最上とされる。
山廃酛 やまはいもと 自然の乳酸菌を取込む酛(酒母)造りで、山卸し(酛摺り)作業を廃止した事からこの様に言う。山廃酛では酛摺りの代わりに櫂入れまたは汲み掛けと云う酒母に円形の筒(汲み掛け円筒)を入れ、内側に染み出してきた液を酒母の上から掛ける作業を行う
和らぎ水 やわらぎみず 日本酒のチェイサーのこと。飲む日本酒と同量の水を飲み、日本酒に使用されている水と同程度かそれ以下の軟水が良いとされる
雪冷え ゆきびえ 日本酒を冷やす冷や酒の温度の呼び名で、5℃付近の温度帯を言う。最も冷たく冷やした状態で冷やの下限で、これ以上冷やすと味も香りも感じる事が出来なくなる
四段仕込み よんだんじこみ 甘口の日本酒を造るために、三段に仕込んだ醪の後、上槽前に蒸米を仕込む事から四段仕込みと言う。四段目の仕込みには、酵素四段,うるち米四段,もち米四段等の手法がある

ラ行

用語 読み 説明
劣化臭 れっかしゅう 正常な発酵や管理をされた清酒には無い異臭のこと。貯蔵を含む製造時の要因や流通や管理状態の影響で起るものがある
濾過 ろか 清酒の滓引き後の細かい粒子をフィルターで取り除くこと。色や雑味成分を取り除くために活性炭を使用して濾過することもある。濾過は貯蔵中に発生した滓や雑味を取り除く為に、瓶詰め前にも行われる
濾過臭 ろかしゅう 濾過する際の濾過材料から移った不良臭のこと。濾材のフィルターの臭いが移る濾紙臭や使用する活性炭が多過ぎた際につく炭臭(すみしゅう)等がある

ワ行

用語 読み 説明
YK-35 わいけい35 全国新酒発表会に入賞する為のレシピのこと。Y(山田錦),K(熊本酵母:協会9号酵母),35(精米歩合35%)を略してこのように言う
割水 わりみず アルコール度数や香味を調整する為に原酒に加水を行うこと。各貯蔵タンクの清酒を出荷前に調合して品質を一定にした後、瓶詰め前に行う

この記事の筆者

日本ツーリズム運営局(オフィスイチヤマ)

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日本ツーリズムは日本酒に対する潜在的な需要を発掘すると共に、日本各地の蔵元さんとユーザーをつなぎ、日本酒で地方を元気に、そして日本を元気にして行くと共に、世界へ日本酒の魅力を発信していくことを目指して行きます。
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