清酒として日本初の地理的認証、GI白山とは?

GI 白山

GI白山マーク

「GI白山」は、日本酒(清酒)として平成17年12月に、日本で最初に地理的表示(GI認証)を指定されました。これは、日本酒の地理的表示「GI日本酒」が指定された平成27年12月より10年も前のことです。

※マークは白山酒造組合様H.P.より転載させて頂きました

酒質の特性

総じて米の旨みを活かした豊かなコクのある酒質であり、特に純米吟醸酒や吟醸酒は、穏やかな果実の様な香りと程よい酸味があるので、豊かな味わいとコクと相まって品格を感じさせる酒質となっています。

気候風土

石川県白山市は白山を水源とする手取川扇状地にある為、豊かな伏流水に恵まれています。この伏流水はカルシウムを多く含む一方、カリウムが少ないので、酒造りでは穏やかに発酵をさせ、また米の溶解が促されるので、米の旨みが引き出された酒質となります。

白山遠景

写真提供:石川県観光連盟様

歴史と人的要因

白山地域を流れる手取川の上流には、昔からイワギクなどの野生菊が古くから群生しています。菊の花の雫を集めた水は不老長寿の効能があると言う中国の言い伝えにちなみ、これらの菊の花に滴った水を受けて流れる手取川の水は「菊水」と呼ばれて尊ばれていました。そして、「菊水」つまり手取川の水で醸したお酒は「菊酒」と呼ばれていたそうです。
「菊酒」は、今も平安期の宮廷文化以来の、重陽の節句に無病息災を祈って菊の花を浮かべて飲む風習がありますが、また別の説では、濃醇なお酒を飲み干した後に盃にできる酒の滴り模様が菊の花の様に見えたからともいわれています。
また、「言継卿記」(1527年)や「扶桑記勝」(1700年頃)には、白山の酒の記述がみられるなど、この地域では古くから酒造りが行われており品質についても高い評価を受けていた様です。
このような背景から白山地域では、こくと味わいが豊かで、飲み手に品格を感じさせるようなお酒造りや山廃仕込みなどに取り組んでいます。

原料及び製法

原料は米及び米麹に、国内産米(醸造用玄米の1等以上に格付けされたもので、精米歩合70%以下のもの)のみを用い、水は石川県白山市内で採水した水のみを用いたものであること。アルコール添加を行う場合は麹を含む米の重量の100分の50を超えない事。製法としては、白山市内おいて清酒として製造されたもので、もろみの製造では液化仕込みを用いないことかつ、酒母を用いた製法であり麹米の使用割合は20%以上のこと。製造工程及び貯蔵、容器詰めは白山市内で行う事となっています。

※「液化仕込み」とは、掛米に蒸米を使用しないで、酵素等を用いて液化したものを仕込みに用いる方法のこと。

地域ブランド「白山菊酒」

「白山菊酒」は、毎年4月と11月に認証審査会を行い、厳しい審査基準をクリアしたものだけが名乗ることが出来ます。
酒質やタイプ、製造方法は様々ですが、コンセプトである「こく豊かで品格ある風味」を備えたものです。
平成29年3月時点では12銘柄でした。

 

白山菊酒

※マークは白山酒造組合様H.P.より転載させて頂きました。

管理機関

GI白山清酒管理機構(白山酒造組合内)

 

(Text :  山路 日出夫)

 

 

 

この記事の筆者

日本ツーリズム運営局(オフィスイチヤマ)

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