知りたい「GI灘五郷」認定の銘柄とは?

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昨年、日本酒の産地としては3番目として灘五郷が登録された事は以前にも書きましたが、地理的表示を名乗る日本酒(清酒)は、そのお酒の特性を守る為の基準があります。灘五郷の場合は概略以下の様になります。(少し専門的で難しいですが…)

酒質の特性

一つは酒質の特性で、灘五郷の日本酒は味わいの調和がとれていてキレの良さが特徴です。また貯蔵された秋上がりは香味が整い飲み飽きない味わいになるとされます。

気候風土

二つ目は気候風土に関わる内容で、「灘五郷」は特に冬には六甲山から吹き下ろす六甲おろしにより寒造りに適した気候であり、また六甲山系の急流が水車精米に適していた為、古くからよく精白された白米による諸白での酒造りが行われていた事や水運の便が良かった事などが相まって江戸時代以来酒どころとなりました。また、「宮水」に代表されるミネラル分を多く含み鉄分をほとんど含まない硬水を仕込み水とする事で、灘五郷特有のお酒が生まれました。

原料及び製法

三つ目は原料及び製法に関わるもので、原料は米及び米麹に使うお米は国内産でかつ一定(3等以上)の格付け以上のものを使用する事。また、使用するお水は灘五郷内で採取されたもののみを使う事。アルコール添加を行う場合は麹を含む米の重量の100分の25を超えない事。製法としては、灘五郷内において清酒として製造されたもの、かつ製造工程及び貯蔵、容器詰めは灘五郷内で行う事となっています。

管理機関

四つ目は、GI「灘五郷」のお酒の特性を守るための管理機関が、そのお酒がGI「灘五郷」の基準を満たしているかを確認し認定します。また管理機関はこれら業務の他、消費者からの問い合わせやGI「灘五郷」の使用状況の把握、国税当局への対応等の事務業務も行い、灘五郷酒造組合内の「地理的表示管理運営委員会」が実施しています。

人材育成・酒造技術向上への取組み

最後に灘五郷のお酒は、南部杜氏、越後杜と共に日本三大杜氏の一つである丹波杜氏と共に発展してきました。丹波杜氏は江戸時代からその優れた技術で知られ、灘五郷の仕込水や気候を熟知してこれを生かした味わいが調和しキレの良い秋晴れのする「男酒」と言われる灘酒を醸してきました。この丹波杜氏の伝統を引き継ぎ人材を育成し酒造技術をさらに向上させていく取り組みをなしてゆく事とされています。灘五郷では、酒造関係者の技術交流を行う「灘酒研究会」がその役割を担っています。

 

GI「灘五郷」認証銘柄

昨年度のGI「灘五郷」認証は8つの蔵元、9銘柄(海外向けを含めると10銘柄)でした。

灘五郷には数多くの蔵元と銘柄が存在しますが、認定を受けるには上記の全ての条件を満たす必要がありますし、特に4つ目のお酒の特性に関しては、官能評価を伴うため一度に多くの蔵元・銘柄が申請を行うことが出来なかった為、今回の認証結果になったものと考えられますので、今後認定銘柄も増加してゆくものと予想されます。特に海外の方々はGI認証を重視される傾向が強いようですから、これを契機に日本酒の海外での認知度が更に高まって行くといいですね。

2018年時点でのGI「灘五郷」認定銘柄は以下の通り

大関 本醸造 辛丹波
日本盛 大吟醸  風雅(免税店及び海外のみ)
白鹿 黒松白鹿 特別純米 山田錦
沢の鶴 純米
櫻政宗 櫻政宗 特別純米酒 宮水の華
白鶴 超特選 純米大吟醸 白鶴錦 超特選 純米大吟醸 翔雲 山田錦
菊正宗 嘉宝蔵 雅
福寿 超特選 純米酒

 ( Text:山路日出夫)

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