暑い夏の日、とりあえずビールではなく、日本酒のソーダ割りでサッパリと!

日本酒のソーダ割り SAKEリッツアー(日本酒カクテル)

例年以上に長く蒸し暑い梅雨が明けてから、連日最高気温の記録を更新する酷暑が続いています。

この様に暑い日には、さすがに日本酒好きでも最初の一杯は、とりあえずビール!と言ってしまう方も多いのでは?

夏向けに各蔵元からスッキリした味わいの夏酒がリリースされていますが、それでも最初の一杯として飲むにはリッチすぎる様に感じるのではないでしょうか?

夏空と夏の酒

たとえばワイン。よく冷えた白ワインなどは、喉の乾いた暑い日に飲むと美味しく感じますが、それでもビールの様にごくごく飲むにはリッチすぎますし、そんな風に飲んでいたら直ぐに酔っ払ってしまいます。そんな時には、ワインをソーダで割ったスプリッツアーというカクテルがオススメです。

そこで、このスプリッツアーを参考に、日本酒のソーダ割り(SAKEリッツアー)にすると美味しいのか⁈試してみました。

スプリッツアーのレシピ

サントリーさんのホームページに、各種カクテルのレシピが紹介されています。そこからスプリッツアーを紐解くと、白ワイン3/5とソーダ2/5を氷を入れたグラスに注ぎ、軽くかき混ぜる。とあります。カクテルの名前、スプリッツアーはドイツ語で、爆けるを意味するシュプリッツエン(Sprengen)に由来しているとのこと。アルコール度数はおよそ8度。これを目安にSAKEリッツアーを作ってみましょう。

 

日本酒のソーダ割り(SAKEリッツアー)を4種類の日本酒のタイプで試してみました。

日本酒をソーダ(炭酸水)で割る日本酒カクテルですから、元々淡麗なお酒を使ったのではサッパリしすぎて、きっと味気ないだろうことは容易に想像が付くので(つかない?)今回は4種類のお酒を選び、試してみました。

三笑 生酛純米(兵庫夢錦100%、精米歩合65%、15度)

播州一献の醸造元山陽盃酒造さんが、昭和52に途絶えた同じ町内の蔵元の銘柄を引き継いで造っているお酒です。生酛造りのお酒は乳酸の酸味とその酸の味わいに厚みがあるので、炭酸で割っても負けずに酸味がサッパリと立つのではと予想。

 

三笑 生酛純米

度数8度狙いで、お酒とソーダを1:1で割り試飲。

生酛の上品な乳酸とソーダの酸味が調和し、また少し甘みもあるのでワインとは違った日本酒ならではの旨さがスッキリ味わえてGood!

 

しぼりたて金壺(精米歩合60%、20度)

四段仕込みの生原酒。毎年年末にこのお酒ができると杉玉を上げるそうなので、生で貯蔵されて凡そ8ヶ月半熟成されているから粗さも取れているはず。アル添ながら20度の度数のパンチも期待して。

しぼりたて金壺

度数8度狙いで、お酒とソーダを4:6で割り試飲。

よく考えてみれば当たり前だが、高度数のパンチが無くなりイマイチ。改めてお酒とソーダを同率とするとまあまあいける。1:1の方がBetter。でも、むしろ割るより日本酒ロックで飲んだ方がずっと美味しくいただけました。

 

多満自慢 夏の生酒(純米吟醸生酒、山田錦100%、14〜15度)

クエン酸の酸味を求めて白麹系のお酒を探しに、百貨店のお酒売り場をうろうろ。残念ながら目当ての白麹は入荷が無いよう。そこで見つけたのがこのお酒。まるでりんごの様な爽やかな酸味・・・のラベル表記に惹かれて購入。書いてある通りならソーダ割りに合うはず。

多満自慢夏の生酒

これも8度狙いで、お酒とソーダを凡そ1:1で割り試飲。

ラベルに書いてあった通り、りんご様の酸味(リンゴ酸)と香りで、甘みも炭酸の効果でスッキリと喉越し良く美味しくいただけました。

 

近江龍門 純米吟醸生原酒(山田錦、精米歩合60%、18度)

百貨店のお酒売り場で声をかけてきた店員さん。と思って、酸の高いお酒を探していると伝えたら、実は出張してブースを出していた蔵元さんで(法被とか着ていらっしゃらなかったので分からず)した。春から続くコロナ禍の話などひとしきりした後、ウチのお酒も結構酸が高くて酸度1.8以上あるよとのことで、ちょっと違うんだけどと思いつつ断れず購入したしだい。ソーダ割り狙わず代表。

近江龍門純米吟醸生原酒

18度と少し度数が高めなので、8度狙いでお酒とソーダの割合は1:1より少しソーダを多めにして試飲。

確かに酸は高い様ですが、これは旨味につながるコハク酸系の酸の様で、炭酸で割るとやや苦味が出てきてしまった。そのまま飲めば美味しいお酒ですが、ソーダ割りには不向きでした。

 

【結論】日本酒のソーダ割り(SAKEリッツアー)に合うお酒は!

SAKEリッツアー、日本酒のソーダ割り

今回試した結果、ソーダ割りに向くタイプとそうでないタイプが有ることが判明。

向くタイプは、乳酸の酸味のある「生酛」のものやリンゴ酸を多く含み、やや甘くちのものが炭酸の酸味とマッチして良い様です。今回試せませんでしたが、おそらく白麹を使ったクエン酸系のものや貴醸酒なども良いのではと予想します。

向かないタイプは、今回試した中ではコハク酸を多く含む旨口タイプ。ですから生酛でもこのタイプですと、ソーダ割りには向かないのではと思います。

ビールや白ワインと比べると、度数が高くリッチな味わいの日本酒ですが、ソーダで割ることで、喉越しさわやかな、暑い夏の喉の乾きを潤す最初の一杯として楽しめることがわかりました。

では、暑い夏も日本酒で乾杯!!

(Text:山路日出夫)

 

この記事の筆者

日本ツーリズム運営局(オフィスイチヤマ)

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日本ツーリズムは日本酒に対する潜在的な需要を発掘すると共に、日本各地の蔵元さんとユーザーをつなぎ、日本酒で地方を元気に、そして日本を元気にして行くと共に、世界へ日本酒の魅力を発信していくことを目指して行きます。
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