5例目の日本酒地理的表示に「はりま」が指定されました!

GI はりま

GIはりま マーク

日本酒の地理的表示(GI認証)の5例目として、「はりま」が、今年3月16日に指定されました。兵庫県では昨年指定された「灘五郷」に続き2例目です。

GI認証の基準を満たさない清酒の商品名や商標には、「はりま」(漢字・ローマ字表記を含む)を使用する事は出来なくなります。※

GIはりまのマークは、はりまが日本列島のほぼ中央に位置し、酒造好適米の山田錦発祥の地であることから日の丸と山田錦を表現しています。稲穂が右に繋がっているのは山田錦を通して人や世界へ繋がってゆく姿勢を。またお城は世界遺産の姫路城を始めとして多くのお城がこの地に在ったことを表しているそうです。(2020年8月、本稿追記)

吉川町山田錦

酒質の特性

兵庫県で生産された酒米の「山田錦」を用いて健全に育成された麹を使用する事により、心地よい酸味が付与された後味が軽快な酒質で、総じて口当たりが優しく丸みがあり、繊細なコクと豊かな香味のふくらみを有し、喉ごしの良い酒質とされる。

気候風土

中国山地を水源とする市川、揖保川、千種川、夢前川などの河川により、その流域に穀倉地帯が広がり、この地で酒米品種の「山田錦」が開発されました。この地域は、稲穂が実る時期には六甲山系が南からの温かい空気を遮り、1日の気温差が大きくなることやミネラル分の多い粘土質の地質が生育する山田錦の心白や脂肪・タンパク質の少なさに良い影響を与えています。また、中国山地に由来した鉄が少なく適度なミネラル分を含む水を仕込み水として用いることができます。

歴史と人的要因

奈良時代に編纂された「播磨国風土記」に現在の酒造りの原型とも言える、麹カビを用いて原料米の糖化する酒造りの記録があり、また江戸時代に栄えた灘五郷へ播磨杜氏が多く出稼ぎで働いたなどの背景から、江戸時代後期には多くの酒蔵が開業しました。
昭和3年には、日本で唯一の酒米専門研究機関である「兵庫県酒米試験地」が開設され、昭和11年に「山田錦」が誕生し、現在に至るまで山田錦の原種を護持しています。

原料及び製法

原料は米及び米麹に兵庫県で収穫した山田錦(主要農作物種子生産条例に基づく審査済みの種子から栽培して収穫したもの)のみを用い、水に産地(※)の範囲内で採水した水のみを用いたものであること。アルコール添加を行う場合は麹を含む米の重量の100分の50を超えない事。製法としては、産地(※)の範囲内おいて清酒として製造されたもの、かつ製造工程及び貯蔵、容器詰めは産地(※)の範囲内で行う事となっています。

※:産地とは以下の地域を指します。
兵庫県姫路市、相生市、加古川市、赤穂市、西脇市、三木市、高砂市、小野市、加西市、宍粟市、加東市、たつの市、明石市、多可町、稲美町、播磨町、市川町、福崎町、神河町、太子町、上郡町及び佐用町

GI「はりま」 認証銘柄

現在は未だ認証銘柄は発表されていませんが、五月連休明け位には商品が店頭に並びそうです。

※:以前より商標に「播磨」を使用していた、「奥播磨」「播磨路」は引き続きこの商標の使用が認められています。

管理機関

はりま酒研究会(姫路酒造組合内)

(Text :  山路 日出夫)

 

 

 

この記事の筆者

日本ツーリズム運営局(オフィスイチヤマ)

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