日本酒地理的表示「GI福岡」が指定されました。

GI福岡

日本酒の地理的表示(GI認証)の23例目として、「福岡」が、令和7年10月1日に指定されました。

福岡GI_ロゴ

酒類の特性について

福岡の清酒は馥郁(ふくいく)たる香りを持ち、旨味に富み余韻がきれいな酒で、甘辛く旨味の多い福岡の料理の味を邪魔することなく、食と一体となってバランスよく味わいある酒質です。

 

気候風土

福岡県は、筑紫山地などを源とする筑後川や矢部川、遠賀川などの豊かな水系に恵まれ、清冽な軟水・中軟水が得られる。日本海に面する福岡県は、冬季は低温で降雪が少なく乾燥した気候となるため、麹造りにも適した環境が形成される。こうした豊かな水と低温・乾燥した冬の気候が、米の旨味や甘味を引き出し、香り豊かでふくらみのある福岡の酒質を支えている。

筑後川

写真提供:福岡県観光連盟

歴史と人的要因

福岡の酒造りは、平安時代から鎌倉時代にかけて諸国名産酒の産地として知られていいました。元禄3年(1690年)には筑前に613軒もの造り酒屋が存在し、儒学者・貝原益軒からもその品質を高く評価されるなど、酒造りは地域に深く根付いていました。文化・文政期(1804~1829年)には、九州最古の歴史を持つ「三潴杜氏」や「芥屋杜氏」が形成され、杜氏を中心に醸造技術の蓄積と継承が進みました。

明治初期には、西南戦争による酒不足を契機に上方の酒が流入し、戦後の不景気も重なって福岡の酒造業は苦境に立たされましたが、こうした状況を打開するため、酒造家たちは酒質と醸造技術の改善に取り組みました。その中心となった酒造家の小林作五郎は、明治22年(1889年)に福岡県酒造組合を結成し、酒造家同士の情報交換を促進するとともに、灘・伊丹・半田など先進地の技術導入に尽力しました。しかし、福岡の軟水は上方の醸造法に適さなかったため、小林らは福岡の水質に合わせ、麹を丁寧に育てて米を十分に溶かし、低温でゆっくり発酵させる醸造法を確立しました。この技術が酒造組合を通じて地域に広まり、福岡の酒質は向上しました。

その結果、1890年代から1950年代まで約60年間、福岡は兵庫に次ぐ酒生産量を誇る産地へと発展しました。現在も、杜氏・蔵人による技術継承に加え、研究会や講習会、福岡県酒類鑑評会などを通じて蔵元同士が研鑽を重ねています。こうした長い歴史の中で培われた技術と、地域の酒造家が環境に適した酒造りを追求し、共有・継承してきた営みが、今日の福岡の酒造文化を支えています。

原料及び製法

原料としては、米及び米こうじに、国内産のみを用いていること。
福岡県内で採水した水のみを用いていること。
酒税法に規定する「清酒」の原料を用いたものであること。ただし、清酒の原料のうち、アルコールは、米(こうじ米を含む。)の重量の100分の50を超えなる量での使用はできません。
製法としては、福岡県内において製造、貯蔵、容器詰めすること。

管理機関

管理機関の名称:GI福岡管理委員会
住所:福岡市東区馬出1丁目2436号(福岡県酒造組合内)

電話番号:092-651-4591

 

ウェブサイト:fukusake@crest.ocn.ne.jp

地理的表示「福岡」を使用するためには、これを使用する清酒の製造場から出荷するまでに、各規定について管理機関が作成する業務実施要領に基づいて確認を受けなければなりません

(Text :  山路 日出夫)

 

この記事の筆者

日本ツーリズム運営局(オフィスイチヤマ)

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