秋鹿酒造蔵開き〜イベントレポート

秋鹿酒造蔵開きイベント 

秋鹿若鹿会 ~次世代を担う若者と蔵人たちの挑戦~ 

【秋鹿酒造蔵開きイベントについて】

秋鹿酒造は、大阪府能勢町にある、無農薬で酒米栽培をし日本酒を造っている酒造です。秋鹿酒造では、お酒を醸造する蔵を長らく外部に公開してきませんでした。

そんな中、蔵の大規模リフォームをきっかけに、新蔵で日本酒とステージを楽しめるイベントを実施する計画が、秋鹿若手蔵人や、大阪大学の地域創生サークル「阪大 地域×エンタメサークルConnect(主宰/ 井手隆一郎)」が中心となり、イベントを実施する事となりました。

学生たちは5年前から酒米づくりのボランティア活動を通して、秋鹿酒造と関わってきました。これは先輩から現役学生である後輩たちに引き継がれてきた、地域の事業者と関わるという伝統です。今回5年目を迎え、リフォームした蔵完成を記念し2日間限りの秋鹿や日本酒ファンに楽しんでもらうイベントを企画立案から運営までを、サークルメンバーが中心となり実施運営をいたしました。

秋鹿祭り会場全景

 

【6月29日土曜日 イベント開催1日目】

開催直前までの雨予報を覆し、晴天に恵まれてのイベント開催となりました。8時30分、始発のバスからご来場いただいた方もおり、賑やかにスタートを切ることができました。

大阪府豊能郡能勢町。大阪北部の山間にある秋鹿酒造ですが、大阪府をはじめ近畿圏から多くの方にご来場いただきました。最寄りである能勢電鉄妙見口駅から秋鹿酒造まで運行した当日限定のシャトルバスを待つお客さんが朝からいらっしゃいました。

10時、秋鹿酒造社長をはじめとした蔵人による挨拶で企画が幕を開けました。秋鹿酒造の出店する飲み比べ企画、ボトルでの日本酒販売は大人気で、朝から長蛇の列ができるなど、盛況を博しました。飲み比べ企画を楽しまれた後も追加で日本酒を飲まれる方も大勢おられました。また、秋鹿を提供する飲食店にも出店いただき、来場者の方には秋鹿が大事にしている食事とのマリアージュも楽しんでいただきました。

秋鹿祭り飲み比べ企画

秋鹿祭り飲み比べ企画ではずらりと各種秋鹿が勢揃い‼︎

 

【蔵内企画】

秋鹿若鹿会では日本酒とともに秋鹿酒造を堪能する沢山の企画を開催していましたが、特に人気だったのはやはり「蔵見学」。多くの方にお申し込みをいただき、これまで明かされてこなかった秋鹿の蔵の中を、蔵人による案内で見学していただきました。初の蔵公開ということで、大変ご満足いただけたようです。

秋鹿祭り蔵見学

 

また、秋鹿7代目の奥様によるマリンバの演奏も蔵の中で行われました。なんと音大出身のプロの方ということで、最高の日本酒とともに最高の音楽を楽しんでいただける企画となりました。演奏は蔵の外までも響いてきて、会場全体を盛り上げてくださいました。

蔵内では大阪大学の落語研究会による落語も披露されました。伝統ある酒蔵内で、日本の伝統的なお笑いが披露されました。酒蔵×お笑いという新感覚のマリアージュをお楽しみいただけたのではないでしょうか。 

また、密かに開催されていた秋鹿人気投票。無数の商品がある秋鹿酒造ということで、多種多様な商品名が壁一面に掲示されていました。知らなかった秋鹿を知ることのできる機会になったのではないかと思います。

 

【蔵外企画】

飲食ブースのある屋外では、大阪大学のギターサークルに出演いただき、会場を楽しい雰囲気にしていただきました。お酒を片手にギターの生演奏を聞くという最高の休日をお過ごしいただけたのではないかと思います。

 また、総合受付ではイベント限定のTシャツを販売しました。今回のイベントロゴを印刷した可愛らしいデザインで、購入後に早速着用してイベントを回っていただいた方もいらっしゃいました。

 

【夜 宿泊企画】

秋鹿若鹿会の特別企画として、限定8名様にご参加いただいた「宿泊企画」も、とても楽しい企画となりました。宿泊場所である「アトリエトナリ」は秋鹿の仕込み水と同じ水を使っている民泊。併設するバーは古民家をオーナー自ら改装して造られたようです。お早めに来場いただいた参加者の方は、早速バーで企画を楽しんでいただきました。

秋鹿祭りイベント夜の会場

 

そして本企画の目玉はやはり夜の蔵見学。夜の秋鹿の蔵、という他では体験できない特別な機会を、皆さん興味津々で楽しんでいただけたようです。

秋鹿7代目と語り合う夕食会も、この機会だけの特別な体験でした。秘蔵のお酒を片手に、7代目から秋鹿について語っていただき、また参加者の方にも秋鹿への愛を語っていただくという、秋鹿愛に溢れる特別な夜になったのではないかと思います。

宿泊場所であったアトリエトナリは秋鹿酒造すぐ近くにあり、オーナーと女将がDIYでリフォームしたお洒落な内装が楽しめる素敵な民泊です。五右衛門風呂に入ることもできるなど、寝泊まりするというだけでも特別な体験になったことかと思います。

 

【6月29日日曜日 イベント2日目】

 生憎の雨という天候での2日目スタートとなりました。しかし傘を差しながら多くの方がご来場くださいました。幸い昼頃からは雨も上がり、涼しい中日本酒を味わっていただけました。料理や、蔵内外での企画も1日目に引き続き多くの方に楽しんでいただくことができました。 

【プレゼン大会】

 最終日限定、イベントを締めくくる企画として、プレゼン大会を開催しました。イベント来場者の中から参加者を募り、「あなたの一番好きな秋鹿のお酒について魅力が伝わるようプレゼンしてください」「秋鹿への想い熱く語ってください」のどちらか一つのテーマをお選びいただき、秋鹿愛溢れるプレゼンをしていただきました。審査員には秋鹿酒造社長、7代目、蔵人も参加していただき、まさにイベントのフィナーレに相応しい企画となりました。優勝者の方には秋鹿酒造から日本酒がプレゼントされ、参加者の方、観覧いただいた方には酒粕がプレゼントされました。

秋鹿祭りプレゼン大会

 

【後書き】

秋鹿若鹿会の当日のスタッフ業務を担当する阪大 地域×エンタメサークルConnectは、「地域をエンターテインし、持続する繋がりを作る」をテーマに活動している大阪大学の地域創生サークルです。地域創生やこれからの日本の課題に向き合い、少しでも解決策を探ることができればと、株式会社NICO代表 井手隆一郎氏主宰の元に、4年前から活動を開始しています。

大阪大学の学生たちは地方出身者が多く、大阪の事を何も知らぬまま卒業する学生が多いのですが、私たちは大阪大学の裏山的な位置である能勢町に酒蔵があることを知り、少子高齢化や日本酒の生産量が減っていることを知るきっかけになりました。秋鹿酒造さんとの関わりは酒米作りからお酒造りをお手伝いするチャンスに恵まれました。種植えから稲刈り、そして酛すりまでの1年間にわたる日本酒作りの奥深さや苦労を学び、自分たちがお手伝いした秋鹿の日本酒を飲み、どんどん秋鹿の魅力にはまっていく学生メンバーが続出。通年に渡り酒蔵に通わせていただきました。

  今回のイベントはその縁もあり企画、運営サポートに関わらせていただきました。初めての試みで至らないところもあったかもしれません。しかし、私達Connectの若者だからこそ、そして秋鹿の蔵人さんと一緒にやったからこそ実現できた、今までにない新しい蔵開きイベントになったのではないかと思っています。当日は多くの方にご来場いただき、私達学生の運営スタッフも汗を流しながら、笑顔で活動することができました。来場者の方がイベントを楽しんでくださる様子を見て、頑張ってよかった! と思えるイベントになりました。また、この経験が、学生一人一人の成長に繋がったと思っています。ご来場くださったみなさま、本当にありがとうございました。

(Text:阪大 地域×エンタメサークルConnect  水門裕策)

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この記事の筆者

日本ツーリズム運営局(オフィスイチヤマ)

日本ツーリズム運営局(オフィスイチヤマ)

日本ツーリズムは日本酒に対する潜在的な需要を発掘すると共に、日本各地の蔵元さんとユーザーをつなぎ、日本酒で地方を元気に、そして日本を元気にして行くと共に、世界へ日本酒の魅力を発信していくことを目指して行きます。
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